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No.185『自分の基準に従う』

誰でも、自分の人生を有意義なものにしたいと思っています。
そのためには、正しく生きることが必要ですが、この「正しい生き方」とはどういうものなのか、絶対的な基準がなく、判断が難しいところです。
どんな選択をしても、一長一短があります。
自分にとって正しいことが他人にとっては間違っていることもあるし、その逆であることもあります。
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自分が絶対に正しいという思い上がりは禁物ですが、私たちは少なくとも、自分にとって正しいと思う道を選択しなければなりません。
自分にとって正しい生き方とは、自分の心に恥じない生き方ということです。

自分の思うままに、わがまま勝手に振るまえば、他人から嫌われてしまいます。
そのために、私たちは、理性によって欲求を適度に抑えようとします。
そこで心がけるべき重要なことは、「他人に嫌われるからやらない」のではなく、「他人に嫌われることが自分にとって損だと思うから、やらない」ということです。

このふたつは似ているようでも、「他人の基準に従って生きるか、自分の基準に従って生きるか」という点で大きく違います。
物理的に不可能なことでないかぎり、自分が「やりたいのに、できない」ことは、他人に禁止されたからできないのではなく、しないほうが得策だと自分で判断しているからやらないだけなのです。
すべては自分の判断なのだということを忘れてはいけません。

わがままを通すことがなぜいけないのか。他人に迷惑をかけるからである。
では、なぜ他人迷惑をかけてはいけないのか。他人が悲しんだり、不愉快になったりするからである。
では、なぜ他人を悲しませてはいけないのか。相手がかわいそうだからである。
では、相手を憎んでおり、かわいそうだと思わなければやってもよいのか……。
理屈で「なぜ、なぜ」と突きつめていけば、キリがありません。
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もっと簡潔に、「他人の恨みをかえば、いずれは自分に跳ね返ってきて、自分が損をするから」ということでよいのではないでしょうか。
まったく自己主張をしなければ、他人に利用され、搾取されるだけの奴隷のような人間になってしまう。自己を主張しすぎれば、他人の反感をかい、これもまた損である。
人は皆、「これぐらいが最適だろう」という自分なりの基準に従って、損得のバランスをたもっているのです。

損得計算といえば聞こえは悪いですが、誰でも、意識的にしろ無意識にしろ、自分の利益のために行動しているものです。
見返りを求めずに人を愛したい、人の役に立ちたいという欲求も、最終的には自分が生きがいを感じたいからであり、自己の利益を求めていることになるのです。
他人の利益を不当に侵害しないように注意しながら、自分の利益を追求するのは、まったく正常なことです。

「自分の思うままに生きたい」という欲求も自然なものですし、「世の中はすべて思い通りになるわけではない」というのも当然の事実です。
その両方を受け入れ、どこで折り合いをつけるかということが重要です。

何ひとつ思うままにならない人生もつらいものですが、もし魔法のように何でも願い通りになるとしたら、それもまた、何のありがたみも張り合いもなく、無為に時間が過ぎていくだけの虚しい人生となるでしょう。
思うままにならないからこそ、悲しみや苦しみもありますが、意志や希望、達成感もえられるのです。

自分では何も選択しようとせず、「私はいつも損ばかりしている」と嘆きながら生きるのは、ある意味では楽なことです。悪いことはすべて他人のせいにすればよいのですから。
自分が得をするためには、自分の意志で行動しなければなりませんし、その結果も自分の責任として受け止めなければなりません。
「自分の意志で、自分の責任において行動する」ことこそが、自分の心に恥じない生き方です。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.180-189
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