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No.122『許されていることに感謝する』

どんなに偏差値の高い大学に入っても、何かを学びたいという意志がなければ、価値はありません。
自分と別れたがっている恋人を暴力で脅したり、泣きついたりしてつなぎ止めたりして、「付き合っている」という体裁だけをたもっても、愛されていなければ意味はありません。

学歴が高い、高い給料を得ている、恋人がいる、などという表層的な現象がうまくいっていることよりも、自分がどういう考えに基づいて生きているのかということのほうが大切です。
他人に見せびらかすために、どんなにきれいな服装で着飾ろうとも、それを他人がどう思うかということは、あくまで他人が決めることであり、自分が決められることではないので、いつまでたっても心は安らぎません。
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努力が他人から認められるということは、もちろん、おおいに喜ばしいことですが、他人から認められるためだけに努力するというのは、何とも虚しいものです。
つねに「他人が自分を認めてくれているか」を気にかけ、見捨てられる恐怖に怯えなければならず、ついには「なぜ他人はもっと自分を認めてくれないのか」という怒りを抱くことになってしまいます。
どれだけ他人に認められることを求めても、本当の自信は得られません。

自分に自信をもつためには、どうすればよいのでしょうか。
人は、努力によって、ある程度は自分の人生を切り開くことができますが、この世に誕生したということは、自分の努力によるものではありません。神に許されて生まれてきたのです。
人は誰でも、この世に存在しているということ自体が、生きることを許されているという証拠なのです。その事実は誰も動かすことができません。
ただ、自分が許されていることに粛々と感謝してください。

「いや、現に私の存在を許そうとしない人がいる」と反論する人がいるかもしれません。友人や恋人、中には家族から虐げられて苦しんでいるという人もいるでしょう。
しかし、あなたが苦しいのは、他人の言うことにいちいち敏感に反応しているからなのです。つまり、他人からの評価ばかりにとらわれて、自分の人生を生きていないことが原因なのです。

自分を見くだしている人のことが許せないのは、あなたが他人との「勝ち負け」に執着しているからです。
どんなに偉そうにしている人も、いえ、偉そうにしている人こそ、自分の弱さに怯えているものです。
あなたをバカにする人も、やはり自分に自信がないのでしょう。あなたがそんな人に執着してしまうのは、その人の中に自分と同じ弱さを発見しているからではないでしょうか。
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あなたはきっと、その人が自分と同じように弱い人間であるにもかかわらず、自信満々に生きているように見えるのが悔しいのです。その人も自分のように劣等感に苦しむべきだということを気づかせたいのです。
勝ち負けにこだわるのは、「他人よりも恵まれていたい、優れていたい」という思いがあるからです。
つまりあなたは、自分に負けている人間を見つけて安心したいのです。

自分を守るために武装を固めても、よけいに不安は募る一方です。その執着心のエネルギーを、もっと有効なことに使いましょう。
強くたくましく、他人や己にうち勝つことが幸せなのではありません。強さにこだわっているかぎり、勝ち負けという不毛な概念から抜け出すことはできないでしょう。
小さくて弱いなりに、そのままの自分を愛しむことこそが、自信をもつということです。

生きる喜びを感じるのに、小難しい理屈は必要ありません。心が塞いだときは、頭で考えるよりもまず、外に出て、大きく深呼吸をしてください。
美しい花、小さな虫、この世に存在するひとつひとつの命に思いを巡らせ、それらとともに生かされている喜びに感謝すること。それだけで充分です。

自分の人生を主体的に生きるということは、矛盾する言い方のようですが、「自分の無力さを悟り、自分を誕生させた雄大な自然の摂理に身をゆだねる」ことから始まります。
ただし、機械やロボットのように意志を放棄して何かに屈するということではありません。
自分が自分であることの価値を最大限に認め、活かすということなのです。

あなたを傷つけた人の悪意も、あなたが抱いている悔しさも、この宇宙の中では塵のようにちっぽけなものです。人間にできることなど、たかが知れています。
この世にたったひとり、かけがえのない存在であるあなたの尊厳は、あなた自身でさえ侵すことはできません。
皆、平等に、許されているのです。
(おわり)

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リラックスブック(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

人づきあいが苦手、小さなことですぐムカッとしてしまう、自信がない、そんなあなたの心を軽くする本
こころのお掃除、始めましょ
メッセージ No.120-129
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