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No.235『メールでの付き合い方』

メールという新しいコミュニケーションの手段が普及するにつれて、それに関する新しい悩みや問題も発生するようになりました。
「恋人がメールに付き合ってくれない」「友人に長い文章のメールを送ったのに、返事がひと言だけだった」などという嘆きは、よく聞かれます。

メールは、相手の都合を考えずに、いつでも送れる便利なものです。
直接会ったり電話をかけたりするのであれば、食事時や夜間、相手が忙しいときなどには控えるといった配慮が必要ですが、メールは、相手の都合のよいときに見てもらえばよいので、時間帯を気にせず勝手に送りつけることができます。
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しかし、簡単で便利なものだからこそ、よけいに深い配慮が必要となるのです。
あくまで「相手の都合を考えず、勝手に送りつけたものである」ということを忘れてはいけません。
それをわきまえておかなければ、返事がないからといって「嫌われたのではないか」と気をもんだり、「ないがしろにされた」と一方的に嫌ったり、勝手に独り相撲をとることにもなりかねません。

メールとは、そもそも「わざわざ会ったり電話をしたりして話すまでもない、とるに足りない用件」を伝えるためのものです。
必ず返事がほしいのであれば、直接話すべきなのです。
メールでなければ連絡のとりようがないというのであれば、しょせんその程度の浅い関係にすぎないということです。
「メールのない時代だったら、どうしていたか」を考えて、まず、大切な用件を話し合えるほどに関係を深める努力をしなければなりません。

面と向かって話しかけたのに無視をされたのなら、明らかに自分を嫌っているのか、ただ機嫌が悪いだけなのか、ぼんやり考え事をしていて気づかなかったのか、だいたいの見当はつきます。
電話をかけて、留守電が応答すれば、「今は電話に出られないのだな」ということは判りますし、相手が電話に出れば、「今、お話しできますか」と都合を尋ねることもできます。

しかし、メールでは、相手がどういう状況にあるのかが判りません。
メールが返ってこなくても、返信をする暇がないのか、まだ読んでいないのか、気に障ることが書いてあったので怒っているのか、まったく判らないのです。
メールとはそういうものである、ということを承知の上で使わなければなりません。
メールだけで会話をしておきながら、「相手の本心が判らない」と嘆いても仕方がないのです。
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他人と話すことが苦手な人は、ついメールに頼ってしまいがちです。
恥をかいたり嫌われたりするのが怖いので、まずはメールで相手の気持ちを探ろうとしてしまうのです。
好きな異性に話しかける勇気がなくても、メールアドレスを聞いてメールで会話をすることなら気後れせずにできる、という人もいます。
しかし、「他人にどう思われるかが気になる」のならなおさら、メールに頼らず、顔を合わせて話すようにしたほうがよいのです。

メールという文字情報だけのやりとりでは、誤解が生まれやすいものです。
恋人や友人に「バーカ」と親しみをこめた口調で言えば、冗談だということは伝わりますが、メールで「バーカ」という文字だけを送れば、不用意に相手を傷つけたり怒らせたりする可能性もあります。
メールでの会話は、直接会って話すよりもはるかに難しいのです。やっかいごとを避けるためにメールを使ったつもりが、かえって大きなやっかいに巻き込まれることもあるのです。

メールは、物理的に会えないときにも連絡を取り合うことができる、という利点があります。
しかし、それはただ、「新しい手段が増えた」というだけのことで、人付き合いの本質が変わったわけではありません。

メールの返事がこないといってやきもきする前に、まず相手をよく理解することからはじめましょう。
相手はメールを好まない人なのかもしれませんし、そもそも機械を扱うのが苦手なのかもしれません。
すぐに返事をするよりも、じっくり考えてから返事をしたほうがよいと思っているのかもしれません。
メールは単なる事務的な連絡に使うためだけのものだと考えている人もいます。
人それぞれに考え方や事情は異なるのですから、自分の勝手なルールを押しつけてはいけないのです。

メールでのコミュニケーションは、人付き合いに不可欠なものではなく、暇つぶしの趣味程度に考えておいたほうがよいでしょう。
暇つぶしをするのは別にかまわないのですが、他人が暇つぶしに付き合ってくれないからといって、文句を言ってはいけません。
メールがなくても付き合える関係でなければ、本当の付き合いとはいえないのです。
(おわり)

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たかたまさひろ(著)
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メッセージ No.230-239
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