No.009『不機嫌を抑えよう』
不機嫌は、あらゆる害悪のもとです。
子供は、不満があっても、それをうまく表現する言葉を持たないし、大人と対等にわたり合うこともできないので、すねたり、だだをこねたりするという手段を用いるのもやむをえません。
しかし、結局、不機嫌からは何も解決策は生み出されないし、むしろ事態を悪化させるだけであるということを学ぶことが、大人になるということではないでしょうか。
不機嫌の原因が他人のせいであっても(たいていの場合、他人のせいですが)、自分が不機嫌になるということが、子供じみた行為であることを認識すべきでしょう。
他人に腹が立ったとき、怒りにまかせて文句を言ったり、仕返しをしたりすることが、「他人に勝つ」ということではありません。
また、人を許すことは、「負けて引き下がる」ことでもありません。
そもそも、人間関係に勝ち負けなど存在しませんが、どうしても勝ち負けにこだわるなら、「どちらが大人か」という点で勝負すればよいのです。
嫌なこと、辛いことは避けられなくても、不機嫌は心がけ次第で避けられます。
「ムカツク」「キレル」などという言葉は、自分の甘えや弱さから出てくるものです。
不満があるなら、知恵をしぼって、前向きな解決策を考え出すべきでしょう。
それができない自分、いいたいことをはっきりいえない自分へのふがいなさが、ますます不機嫌を増幅させてしまうのです。自分をごまかしてはいけません。
誰も、不機嫌な人と仲良くしたいとは思わないでしょう。
ニコニコと機嫌よくしていれば、自然とまわりに人が集まってくるものです。
他人に媚びを売るというのではありません。媚びを売るのは、自分に自信のない人です。
笑顔で他人に接するということは、相手を尊重するということです。自信に裏打ちされた、精神的な強さが要求されます。
朝、目を覚ますと、まっさらな一日があなたを迎えてくれます。
さて、あなたは、今日という日を、にこやかに楽しく過ごしますか、それとも、イライラと腹を立てて、台無しにしますか。
(おわり)