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たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.286『問題をさかのぼって考える』

ある会社員の男性は、毎朝、同僚たちよりも30分早く出社しています。
会社の近くの安いコーヒーショップで一服し、ゆっくり新聞や本などを読んでから、余裕をもって仕事に取りかかるのです。
以前は、始業ぎりぎりの時間に会社に駆け込んでいました。
郊外の自宅から都心の会社まで、すし詰めの満員電車に揺られて1時間半。乗り換え駅では全力疾走。会社に着くころには、へとへとに疲れていました。
ただでさえ時間が惜しいのに、さらに早起きをすることなど、とうていできないと思い込んでいたのです。

しかし、男性は、こう考え直してみることにしました。
もし、会社の始業時間が30分早かったら。もし、自宅と会社がもっと離れていて、通勤に30分よけいにかかるとしたら。
「起きられないので勘弁してください」と言って、毎日遅刻していくわけにはいきません。そうせざるをえない状況に追い込まれれば、やるしかないのです。
そう考えれば、早起きした30分は、「自分が自由に使える時間」です。
30分早く起きてもいいし、起きなくてもいいが、自分は早く起きる。選ぶ権利があるだけ幸せです。
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通勤ラッシュのピークを避ければ、電車は比較的すいているので、あまり疲れずにすみます。時間に余裕をもって行動すれば、発車寸前の電車に焦って飛び乗る必要もありません。
この男性は、以前よりも30分早く起きているのに、精神的にも体力的にも、かえってゆとりが生まれたのです。やる気が出て、仕事の能率も上がりました。

「時間に余裕がないから、これ以上早く起きられない」ではなく、「余裕がないからこそ、自分で時間をつくり出す」と、考え方を転換させたのです。
「あくせくと時間に追い立てられている生活」の中で、30分早く起きることは、たしかにつらいかもしれません。
しかし、「自分でつくり出した30分」は、それよりもはるかに大きな価値をもつのです。

ある女性は、つい甘いお菓子を食べ過ぎてしまうことに悩んでいました。
毎日、大量にお菓子を買い込んで、気分が悪くなるまで食べ続けてしまうのです。
身体に悪いし、出費もばかにならないので、何度もやめようと努力したのですが、どうしても「甘いものが食べたい」という誘惑にうち勝つことはできません。

「甘いものが好きなのに、我慢しなければならない」と考えていては、我慢はただの苦痛でしかありません。
そうではなく、「好きだからこそ、どうすればおいしく食べられるか」と、問題をさかのぼって考えてみればよいのです。

いくら好きなものでも、毎日大量に食べ続ければ、ありがたみも感じられず、おいしく味わうこともできません。
「どれだけ食べても満足できない」のではなく、「食べ過ぎるから、満足できない」のです。
週に一度か二度、少しだけ食べたほうが、どれだけおいしく感じられるか判りません。
たまに食べるお菓子のありがたみをしっかり噛みしめれば、食べるのを控えることは「我慢」ではなく、「楽しみのための準備」となるのです。

「他人に好かれているか、嫌われているか」が気になって仕方がない。
その悩みを解決する方法は、「愛を要求し続ける」ことではなく、「人に愛されなくても、自分で自分を愛する努力をする」ということです。
「まず他人から愛されなければ、とても自分を愛する余裕などもてない」と言う人もいるかもしれません。
たしかに、「他人にどう思われるかによって自分の価値が決まる」と考えているかぎりにおいては、そんな余裕などないでしょう。
そこから問題をさかのぼって考えなければなりません。
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「他人から愛されたい」という欲求は、人間なら誰でももっています。それを無理に抑えることはありません。
他人に愛されたいと思うからこそ、自分を磨こうという向上心が生まれるのです。それをうまく生かせばよいのです。
大切なことは、実際に他人から愛されることではなく、「自分は、他人から愛される人間であるか」と省みて、自分を客観的に評価することです。

「他人にどう思われているかを気にして、ビクビクしている自分」を好きになれる人はいないでしょう。
自分で自分を愛していないのに、そんな自分を愛してほしいと他人に要求するのは、どだい無理な話です。
自分を愛することは、他人に愛されるための必要条件です。

他人から愛されなくても、愛される人間になるよう努力し、そんな自分に誇りをもって生きていれば、それで充分です。
やがて「十人中、一人でも理解してくれる人がいれば幸運だ」と、余裕をもって考えられるようになるでしょう。また、一人でも理解してくれる人がいれば、よけいに他人のありがたみをしみじみと感じられるようになるでしょう。

苦痛は、受け身であるかぎり、いつまでも苦痛です。
目の前の問題を処理することばかりにとらわれず、「この問題に振り回されないようにするには、どうすればよいか」と、さかのぼって考え直すことが重要です。
自分から能動的にかかわることによって、苦痛を「やりがい」に変えることもできるのです。
それは、はじめは大変なことのように思われるかもしれませんが、慣れてくれば、逆に、そうせずにはいられなくなるでしょう。
悩みこそが生きがいです。大変なことほど、大切なことなのです。
(おわり)

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リラックスブック(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

人づきあいが苦手、小さなことですぐムカッとしてしまう、自信がない、そんなあなたの心を軽くする本
こころのお掃除、始めましょ
メッセージ No.280-289
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