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たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.287『ふつうの人間がすばらしい』

愛される人間になるためには、まず自分自身を愛することが必要です。
しかし、自分を愛するといっても、自分に自信のない人は、何をどうすればいいのか判らないと思われるかもしれません。
「自分は、何の取り柄も魅力もない、ちっぽけな人間だ。いったいこんな自分のどこを愛すればいいというのか」と悩んでいる人もいることでしょう。

しかし、「自分はちっぽけな人間だ」と嘆いている人は、心の底から自分をちっぽけだと思っているわけではなく、むしろ、自分をちっぽけな人間だと認めることができないからこそ、悩んでいるのです。
自分がちっぽけだと思うのなら、謙虚に他人から学び、自分を高める努力を続ければよい。
ただ、それだけのことです。
「自分はちっぽけな人間だ」と悩む必要はありません。自分だけでなく、すべての人間は、しょせんちっぽけで、はかない存在なのですから。
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人は皆、地球上の何十億人のひとりにすぎません。その一生は、悠久の宇宙の歴史に較べれば、ほんの一瞬のできごとです。
心の底から「自分はちっぽけな存在だ」と認めることができれば、「だからこそ、些細なことに悩んだり怒ったりしても仕方がない。かぎられた一生の時間を精一杯に駆け抜けて、悔いのないように生きよう」と前向きに考えられるのです。

「特別な人」はひとりもいません。
ただし、個性は人それぞれに違います。この世の中で、自分とまったく同じ性格、同じ体つき、同じ経験をしてきた人はいません。
この広い世界で、自分という存在は、後にも先にも自分ひとりだけです。それだけで充分に特別なのですから、それ以上に特別であろうとする必要はありません。
人は誰でも特別であるという意味において、すべての人は平等であり、一部の恵まれた人だけが特別なのではないのです。

ここで、次のように反論される方がいるかもしれません。
「大金持ちやスーパースター、有名なスポーツ選手、歴史に名を残す人物などは、明らかに特別ではないか。自分と較べて、あまりにも不公平ではないか」
しかし、それはあくまで個人の主観にすぎません。自分が「運や才能に恵まれ、多くの人々から注目を受ける人」をうらやんでいるから、そういう人たちが特別に思えるのです。
それを特別だと思わない人もたくさんいます。何に価値をおくかは人それぞれなのですから、「誰にとっても特別な人」などというのはいないのです。
世の中には、他人から注目を受けなくても、立派に、誠実に、気高く生きている人もいます。そういう人たちが、大金持ちやスターよりも価値が劣るなどということは、絶対にありません。
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自分を愛するとは、「自分は特別扱いされるべきだ」と思い上がることではなく、他人と較べて優越感を抱くことでもなく、ありのままに自分を受け入れるということです。
「自分をありのままに認める」とは、けっして「努力を怠ってもよい」という意味ではなく、「自分を実際の自分以上に見せようとしない」ということです。
「自分にできるかぎりのことをやって、その結果を受け入れる」といういさぎよい態度のことをいうのです。

具体的にどういう行動を起こせばよいのか判らないという人は、まず、特別なことではなく、「ふつうのこと」を徹底的に行ってください。
礼儀正しくふるまう。はっきりとあいさつや返事をする。「ありがとう」「すみません」を素直に言う。自分のことは自分でする。決められたルールを守る。困っている人がいたら、見て見ぬふりをしない。
これら「人間として当たり前のこと」を完璧に実行しようと思えば、並大抵のことではありません。
私たちは、「ふつうの人間」にさえ、なかなかなれないのです。
「平凡な人生を送りたくない」と言って高望みばかりしている人は、結局、平凡な人間にもなれないまま人生を終えることになるのです。

「ふつうのこと」を心がけてさえいれば、充分に自分に自信がもてるようになるでしょう。
ふつうの生活。ふつうの人間関係。ふつうの仕事。それに満足できない人は、どんな幸福にも満足できません。
「ふつうであること」以上の幸福はないのです。
「自分の人生には何もいいことがない」という人は、毎朝、目が覚めたら、「きょうは、10年間の入院生活を終えて退院する日だ」と仮定してみてください。
それだけで心は幸せに満たされ、すべてが輝いて見えるはずです。「ふつうに生きられること」のありがたみを心から実感できるようになるでしょう。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.280-289
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