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No.301『自分の素直な気持ちを言葉にしよう』

孤独感とは、「誰も私のことを判ってくれない」という淋しさ、虚しさです。
実際にどれだけ多くの人と接しているかということは、あまり関係ありません。
100人の友人がいる人でも、「誰からも理解されていない」と感じていれば、孤独なのです。「孤独感」というよりも、「孤立感」「疎外感」と言い換えたほうがよいでしょう。

「誰も私を理解してくれない」という不満をもっている人でも、もし誰かに「私はあなたのことを何もかも知っていますよ」と言われれば、「私は、そんなに簡単に理解できるほど単純な人間ではない」と反感を抱いてしまうのではないでしょうか。
また、「他人に批判されるのが怖い」と言っている人でも、はれ物に触るように扱われれば、今度は「本音で向き合ってくれない」という不満が生まれます。
他人との一体感を求めていながら、自分の心に踏み込まれることを怖れる、という相反する感情が心に渦巻いているのです。
これでは、他人はどう対処すればよいのか判りません。挙げ句には、手を焼いて離れていってしまうことになるのです。
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「なぜ他人は私を理解してくれないのか」という怒りは、「自分が言いたいことをはっきり言えない」という劣等感のすり替えです。
「他人に理解されること」を求めるのではなく、「自分の気持ちを伝える努力をすること」を目標としなければなりません。
理解してくれるかどうかは、他人によります。他人によって決められることを目標としても、達成感や充実感はえられません。
どんな小さなことでも、まず「自分にできること」からはじめてみましょう。

自分の気持ちを言葉に表すときに、注意すべきことがあります。
他人にどう思われているかを気にしすぎる人は、つい相手の反応を試すような言い方をしてしまうのです。
「どうせあなたも、私のことが嫌いなんでしょう?」
「私はバカだから、努力しても報われるはずがないですよね」
「私なんか、生きていてもしょうがない。いないほうがましだ」

そう言って自分を卑下する人でも、まさか他人に「はい、本当にあなたは、まったく価値のない人間ですね」と同意してほしくて言っているわけではないはずです。
「私のことが嫌いなんでしょう?」と尋ねることによって、「いえ、そんなことはありませんよ」と相手に言わせようとしているのです。
しかし、そんなおざなりの慰めを言われても、本当の自信や安心はえられないことも判っているはずです。
「他人は、表面的に優しい言葉をかけてくれるだけだ」と嘆いている人は、他人にその「口先だけの言葉」を言わせているのです。
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わざと自分をおとしめるような言い方をして、他人の反応を試しても、ほとんどの場合、「気休めを言われる」か、「愛想を尽かされる」かのどちらかです。
自分は嫌われている、自分はバカだ、自分は価値がない、そんなことを他人から言われれば、誰でも腹が立つはずです。
他人に言われたら嫌なことは、自分自身に対しても言ってはいけません。それは自分を傷つけることであり、自分に嘘をつくことだからです。

「自分は皆から嫌われている」という劣等感をもっているなら、「あなたも私が嫌いなんでしょう?」という言い方ではなく、こう言うべきです。
「私は、他人から愛される自信がない。でも、本当は愛されたいと願っている。今は自分に自信がもてず苦しんでいるが、いつかはそれを克服したいと思っている」
そう言えば、他人は素直に共感してくれるでしょう。適切なアドバイスを与えてくれるかもしれません。

自分の気持ちを伝えるときに大切なことは、「他人にどうしてほしいか」ではなく、「自分がどう思っており、どうしたいと思っているのか」ということです。
「他人に理解されていない」という悩みは、実際に理解してもらえなくても、自分の気持ちをうまく伝えることができれば、ほとんど解消されるものなのです。
他人に向かって話す勇気がなければ、自分自身に話しかけるだけでもよいのです。
自分で自分の素直な気持ちを認められるようになれば、心はずいぶん軽くなるでしょう。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.300-307
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