No.035『他人に期待することをやめよう』
他人に対して、期待をしてはいけません。
そう言うと、何だか冷たいことのように思われそうですが、そうではありません。
親友や恋人を信頼し、尊敬し、感謝するのはよいのですが、期待をするのはよくありません。
他人に期待するとは、「自分に何らかの利益をもたらしてくれることを当然のように要求する」ことです。
親友なら、恋人なら、こうしてくれて当然である。——そういう考え方が、結局は自分を苦しめます。
信頼していた恋人に裏切られた時、人は大きなショックを受けます。
しかし、そういう時こそ思い出してください。あなたは、なぜその人と付き合っていたのですか。
誰かに強制されたわけではありません。見栄や義理のためでもありません。もしそうなら、そもそもそれは本当の愛ではなかったのですから、真剣に悩む必要もありません。
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自分が付き合いたいから、付き合っていたのです。自分の頭で判断し、付き合う価値があると見込んだから付き合ったのです。
付き合ってくれた相手に感謝こそすれ、恨む理由があるでしょうか。
他人に期待をしてはいけません。それは決して、人間不信や悲観主義にもとづく考えではありません。
他人に何かを要求することの方が、よっぽどみにくく、浅ましい考え方です。
「私のこと好きなら、もっと気を遣ってよ」
「俺のこと好きなら、言うとおりにしてくれ」
そのような言葉を吐いたことはありませんか。
「自分のことを好きなら〜」という条件付きで相手に何かを要求するのであれば、嫌われればそれで終わりです。しかし、そういう人にかぎって、嫌われれば今度は相手を恨むのです。いずれにしろ、他人というものを「利用価値があるか、どうか」という見方しかしていないのです。
もし、あなたが愛する人に裏切られて傷ついているなら、自分に言い聞かせてください。
「私は、自分が愛したかったから、あの人を愛したのだ」と。
幸せを感じている人は、まわりのすべての人から理解されているわけではありません。
「他人は自分を理解してくれなくて当然、してくれた人には心から感謝しなければならない」と考えているだけです。
不幸な人とは、「他人は自分を理解してくれて当然、してくれない人には怒りを感じる」と考えている人です。「当然」か「不幸」かしかないのですから、いつまでたっても幸せになれるはずがありません。
(おわり)