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たかたまさひろ(著)

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No.057『他人の好意を素直に受け取る』

他人に何かをしてもらったとき、それを当然のように考えて、感謝の気持ちをまったく示さないのは、よくありません。
しかし逆に、他人の好意をかたくなに拒否するのも、考えものです。
他人に何かをしてもらうことを拒むことは、遠慮しているようでいて、実は、「あなたに借りはつくりたくない」と言っているのと同じで、失礼な態度ともとられかねないのです。

他人の好意を素直に受け取ることができない人は、おそらく、恩着せがましい親に育てられたのではないでしょうか。

「どうして、お母さんにいつも迷惑ばかりかけるの」
「お父さんは、お前たちのために、こんなにも苦労して働いているんだぞ」

このように言われ続けると、子供は、「自分の存在というものが、まわりの人にとって負担となっているのだ」という間違った観念をもってしまいます。
子供は、まわりの人に迷惑をかけなければ生きていけない存在であるのに、それを非難され続けると、「自分が生まれてきたこと自体が、間違いだったのだ」という考えにいきついてしまいます。
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仲の悪い両親に育てられた子供も、いわれのない罪悪感を抱いてしまいがちです。
「子はかすがい」と言いますが、私は、「子供のため」などと言いながら、冷え切った夫婦関係を続けるよりは、(いろいろ事情はあるでしょうが、一般的に考えて)きっぱり離婚した方が、よほど「子供のため」になるだろうと考えます。

子供に経済的に苦しい生活をさせることと、子供の心に一生消えないほどの深い傷を負わせることの、どちらが罪が大きいでしょうか。
子供は、両親の不仲を敏感に感じ取ります。そして、「自分が生まれてきたせいで、両親は、別れたくても別れられず、我慢しているのだ」と、自分を責めてしまいます。自分の存在自体が親にとって負担なのだと考えてしまいます。
自分が生きているということに喜びを見出せないのです。

「友人は、本当は私といても楽しくないのに、無理をして付き合ってくれているのではないか」
「恋人がこんなにも私に親切にしてくれるのは、心の裏で何かたくらんでいるからではないか」
などと、他人の好意に疑いをもってしまう人がいます。他人に何かをしてもらうことが罪悪のように感じられて、落ち着かないのです。

しかし、たいていの場合、他人は、「自分がそうしたいから」しているのです。
あなたの喜ぶ顔が見たくて、何かをしてくれているのです。
あなたが心から喜び、感謝の気持ちを示すことが、相手にとって何より嬉しいことであり、もっとも恩に報いることです。
親しい他人からの好意は、素直に受け取るのが礼儀というものです。

他人に迷惑をかけないよう、「行動」に気をつけることはよいことですが、自分という「存在」自体が他人の迷惑であるなどということは、ありえません。
いわば、人間は皆、お互いに迷惑をかけながら生きています。あなたに悪意がなければ、あなただけが一方的に他人に迷惑をかけているなどということはありません。
他人に何かをしてもらったときは、素直に喜んでいいのです。そして、他人にも、素直に好意を示してください。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.050-059
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