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No.083『不満を見つめ直す』

私たちは日々、人間関係の中で、さまざまなストレスに悩まされています。
活き活きとした人生を送るには、このストレスをどれだけ少なくすることができるか、ということが重要です。
他人に対して感じる不満は、大きくふたつに分類されます。
「嫌なことをされる」という不満と、「してほしいことをしてくれない」という不満です。

「嫌なことをされる」ことへの対処は、比較的容易です。可能なかぎり、その人とかかわらないようにすればよいのです。
学校や会社、近所づきあいなどで、完全にかかわり合いを避けることはできなくても、心理的な関係を絶つことはできます。
できるだけ表面的な付き合いにとどめておいて、心の中でその人を切り捨ててしまえばよいのです。
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解決が難しいのは、「してほしいことをしてくれない」という不満です。
これは、友人や恋人、家族など、自分と近しい間柄の人に対して起こる感情です。
どうでもいいと思っている人に対しては、この種の不満は生まれません。
何かをしてほしいと思うのは、自分がその人に依存しているからです。自分の都合で相手を求めていながら、一方では相手を批判するという自己矛盾に苦しみ、なかなか心の整理がつかないのです。

「してほしいことをしてくれない」という不満は、「他人を意のままに操りたい」「自分さえよければよい」という幼稚な思い上がりから生じます。
恋人が自分を愛してくれているかどうかということを、「自分の意のままに動いてくれるか」ということだけでしか判断できない人がいますが、それは大きな間違いです。
そういう人は、永久に「真の愛の喜び」は感じられないでしょう。

他人が自分のわがままをきいてくれれば、気分がいいものですが、それは愛の喜びではなく、その人を支配してやったというみにくい優越感にすぎません。
望むものが間違っているから、いつまでたっても満足がえられないのです。
「嫌なことをされる」というストレスは、他人によってもたらされたものですが、「してほしいことをしてくれない」というストレスは自分の心が作り上げたものだ、ということを忘れてはいけません。

人は誰でも、自分が大事です。自分だけが特別で、一番かわいいのです。
電車の中で、他人に足を踏まれれば腹が立ちますが、自分が他人の足を踏んでしまって怒られたときには、「それぐらいのことで怒るなよ」と思ってしまいます。
他人にされたら許せないと思う言動も、自分がしたことなら簡単に許してしまうのです。
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人間は皆、自分が世界の中心だと思っている、エゴのかたまりのような存在です。
それは仕方がないことなのですが、自分が特別なら、他人もやはり同じように「自分が特別」と思っているということを認めてあげなくてはなりません。
他人は、自分を喜ばせてくれるためだけに存在するのではありません。

「してほしいことをしてくれない」と腹が立つのは、その対象が他人だからです。
自分もまた、相手にとって「望みどおりの人間」ではないはずです。相手も、自分に対していろいろ不満はあることでしょう。
そのことについて、他人に対して腹を立てるのと同じくらいに激しく、自分自身にも腹を立てるでしょうか。自分のことは大目に見てしまうのではないでしょうか。

自分が自分のために生きているのと同じように、他人もまた、自分自身のために生きています。
他人に対して、「してほしいことをしてくれない」という不満を感じたときは、自分にこう問いかけてください。
「私は、どれだけ相手が望むとおりのことをしてあげているというのだろうか」

「相手の望むことをしてあげる」といっても、奴隷のように何でも言いなりになるのがよいというわけではありません。
自分が正しいと思うこと、自分自身も喜びを感じられること、というのが条件です。
他人のために何かをすることで、「自分が犠牲になっている」「自分だけが我慢している」という不満しか感じられないのなら、その行動の動機が間違っています。
ここでもまた、「せっかく〜してあげたのだから、もっと感謝してくれてもいいのに」というごう慢さに支配されてしまっているのです。

自分から「喜んで」他人のために何かをしてあげられる人は、他人に対しても、「〜してくれてもいいのに」という不満は感じないはずなのです。
幸せな人とは、よい意味で「自分のために」生きている人のことです。
(おわり)

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こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.080-089
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