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No.087『見捨てられる不安を捨てる』

他人の優しさや好意に対して、素直に感謝できない、という人がいます。
他人の好意を拒絶する人は、また一方では、無意識のうちに安心を感じています。先に自分から相手を拒絶しておけば、「見捨てられる不安」に怯えなくてもすむからです。

自分に自信のない人は、他人から優しくされても、それに感謝し、喜ぶことが「怖い」のです。
相手は、今は優しくしてくれていても、いつかは裏切り、自分を見捨てるだろう、という不安をつねに抱えてしまっています。
見捨てられたときのショックを想像すれば、「優しくされていい気になっていた自分」が惨めに感じられると思い、現在を素直に喜ぶことができないのです。

恋人が浮気をしていないかを心配し、行動を監視したり、メールを盗み読んだりしてしまう人は、裏切られることを怖れながら、また一方では、恋人が「隠れて浮気をするような卑怯な人間」であることを密かに期待しています。
浮気をされたのであれば、恋人との関係が破綻しても、自分に愛される価値がなかったわけではなく、「相手が卑怯な人だった」という言い訳ができ、自分は「裏切られたかわいそうな被害者」でいられるからです。

そういう人がもっとも怖れていることは、浮気をされることよりも、「ほかに好きな人ができたわけではないけれど、あなたが嫌いになった」という決定的な審判を下されることなのです。
「いい人に嫌われる」ということは耐えがたいショックなので、何とかして相手を卑怯な悪者に仕立て上げようとしてしまうのです。
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「見捨てられる不安」に怯えていては、いつまでたっても他人と健全な関係を結ぶことはできません。
実際に見捨てられることがあるのだから、不安を感じるのは仕方がない、と考えてはいけません。不安に怯えてばかりいるから、本当に見捨てられてしまうのです。
「見捨てられる不安」をもたない人も、他人との関係が破綻することはあります。誰にでもありうることなのです。
いくら不安に怯えても、完全に防ぐことはできません。

「不安に怯えようが、怯えまいが、なるようにしかならない」という開き直りが必要です。
むしろ、不安を捨てたほうが、実際に他人から嫌われる確率は格段に低くなるはずです。
不安に怯えてしまう人は、怯えるから嫌われ、嫌われるから怯えてしまう、という悪循環の中で苦しんでしまっているのです。

他人を拒絶ばかりしている人は、「世の中の誰からも相手にされなくなった自分」を想像してみてください。とても恐ろしいことです。
自分が拒絶されたくなければ、やはり自分も相手を拒絶してはいけません。
ただし、付き合う相手を選ぶということも重要です。自分を見くだしたり、傷つけたりするような人とまで、無理をして付き合う必要はありません。

人は誰も、自分だけの力で生きているのではありません。支え合ってくれる他人が存在するということは、ありがたいことです。
たまに嫌なことがあっても、トータルで考えれば、付き合ってくれる他人の存在は、やはり自分にとってプラスであるはずなのです。
自分が他人を必要としているから、他人と付き合っているのだ、という事実をはっきり自覚し、それに感謝しなければなりません。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.080-089
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