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リラックスブック

たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

こころが休まる本

たかたまさひろ(著)

No.198『自分が何をしたいのか』

「友達とうまく話ができない」「すぐ他人に腹を立ててイライラしてしまう」
自分の行動や考え方の悪いくせを改めたいのに、「判ってはいるが、なかなかできない」ということがあります。
頭の中だけで考え、必死で自分に言い聞かせようとしても、思うようにはいきません。

スポーツの上手な人は、そのスポーツの動きに体が慣れている人だといえます。
テニスのうまい人はテニスの動きに慣れており、サッカーのうまい人はサッカーの動きに慣れています。
体を慣らす方法は、反復して練習する以外にありません。
つらい練習に耐えられるのは、そのスポーツが好きだからです。好きでもないことをいくら練習しても、なかなか上達は望めないでしょう。
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人間の行動を習慣づけるものは、「やってみたら楽しかった」という成功体験です。
テニスが好きな人は、好きだから練習し、練習するから上達し、上達するからますます好きになる、というサイクルが自然にでき上がっています。

テニスをしない人は、楽しみの選択肢がひとつ減ることになりますが、人生の楽しみはテニスだけではありません。自分が楽しいと思うことを選べばよいのです。
「なぜテニスを楽しめないのだろう」と自分を責める人はいません。他人がテニスを楽しんでいるからといって、自分も楽しまなければならないという義務はないのです。

友人との会話を楽しんでいる人は、話すことに慣れている人です。そのほうが楽しいから、自然にそうしているのです。
テニスと同じように、うまく話すことだけが人間の価値ではありません。逆に、よくしゃべる人のことをうっとうしく感じる人もいます。
何に価値をおくかは、個人の自由な判断によります。

「こうしなければいけないよ」と他人に命令されることもあるかもしれませんが、自分の行動の動機は、「他人に言われたから」ではなく、「自分がそうしたほうがよいと思うから」でなければなりません。
自分がそうしたくてするのなら、他人に言われたかどうかは関係のないことです。
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世の中にはいろいろな考え方の人がいますが、個人の主観に絶対正しいものはありません。
テニスそのものに「楽しい」という要素が含まれているのではなく、テニスを楽しんでいる人にとっては「テニスは楽しい」ということが真実であり、そうでない人には「テニスは楽しくない」ということが真実です。
人は、自分にとっての真実を生きるしかありません。

「他人とうまく話せない」という人は、他人と話すことを心から楽しいと感じておらず、「他人がそうしているから、自分もやらねば」という焦りに追い立てられているだけなのです。
「楽しい」という感情は、他人から押しつけられて生まれるものではありませんし、他人に否定されても失われるものではありません。
他人の言動で簡単に左右されてしまうようなものは、本当の自分の心ではないのです。

自分の気持ちや考えは、自分にとってこそ意味があります。
自分がどうしたいのかが判らないという人も、「自分はどうしたいのかが判っていない」ということが判っています。それが紛れもなく自分の心です。
「何かに挑戦し、失敗して落ち込むよりは、何もしないほうがましだ」と、自分の判断で楽なほうを選んでいるのです。
まずそれを認め、「本当にそれが自分にとって楽なことなのか」と真剣に問い直すことから始めなくてはなりません。

すぐに他人に腹を立ててしまう人は、自己の内面と向き合うよりも、何でも他人のせいにして腹を立てているほうが楽だと考えているのです。
そういう性格を直すには、「腹を立てないことのほうが、自分にとって楽なのだ」と心から実感する以外にありません。

自分の考え方を変えるために、もっとも確実な方法は、実際にその考え方にもとづいて行動してみて、「そのほうが楽しい」と感じる経験をもつことです。
そうしてみて、ストレスや不満が減ったという実感がもてれば、無理に自分に言い聞かせなくても、自然にできるようになるでしょう。
もし「楽しい」と感じられなければ、それでもよいのです。やってみてはじめて判ったことなのですから。

ただし心得ておくべきことは、「自分でそう選択したのだ」ということです。
「訳も判らず欲求不満に苦しめられている」のと、「自らの判断でそういう道を選んでいる」のとでは、大きな違いがあります。
重要なことは、他人に振り回されない、自分の本音をあざむかない、ということです。
話題の豊富な人も魅力的ですが、口べたでも、魅力のある人はたくさんいます。
多くを語らず、自分のやるべきことに黙々と打ち込んでいる姿も、また格好いいものです。

しっかりした自己価値感は、「感情を無理やりつくり出す」ことではなく、「自然にこみ上げてくる感情を大切に育てる」ことによって生まれます。
自分にとって本当に「楽しい」と感じられることを探せばよいのです。
思い通りにならなくても、自分の目指す方向がはっきりしているならば、不満は前向きのエネルギーに変わるでしょう。
(おわり)

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リラックスブック(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

人づきあいが苦手、小さなことですぐムカッとしてしまう、自信がない、そんなあなたの心を軽くする本
こころのお掃除、始めましょ
メッセージ No.190-199
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