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たかたまさひろ(著)

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たかたまさひろ(著)

No.203『自分を許し、他人を許す』

他人との付き合いの中では、よいことばかりではなく、腹の立つこともあります。
どこの社会でも、どこの組織でも、自分とそりの合わない人、気に食わない人というのはいるものです。
しかし気に食わないからといって、いつもイライラしていては、つい関係のない人にまで八つ当たりしてしまいます。
八つ当たりと言わないまでも、不快な感情は他人に伝わり、他人をいら立たせます。
結局、それは自分に返ってくるものなのです。
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と言っても、怒りを無理に抑え、いつもヘラヘラと笑っていればよいというのではありません。
ひとりのわがままによって多くの人が迷惑を被ったり、恋人や友人が誰かに侮辱されたりしているとき、黙って見過ごすような人は、優しい人とは言えません。
他人のためになら、怒るべきときもあります。
なるべく抑えたほうがよいのは、「自分がバカにされた」「自分の思い通りにならない」などという、自分の劣等感、被害者意識からくる怒りです。

他人の欠点、嫌な部分というのは、目につきやすいものです。
対して、他人の長所を見つけ、積極的に認めるのは、誰にでもできるというものではなく、高い能力が要求されるものです。
他人の欠点に腹が立って仕方がないときは、こう自分に言い聞かせてみるのもよいでしょう。
「自分は、誰にでもできる簡単なことをして、偉そうにしている。もっと難しいことに挑戦してやろう」

他人の欠点を見つけるのは簡単です。簡単なことばかり繰り返していても、成長はありません。
他人の長所を見いだすという、難しいことに挑戦することによって、自分を高める努力をするのだと考えてみましょう。
嫌いな人を認めるということは、生理的に受け付けられないこともありますが、はじめのうちは、相手のためではなく、自分を成長させるためにやるものなのだと思えばよいでしょう。
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他人の欠点に腹を立てる人は、相手を見くだしているのではなく、実は過大評価をしているのだとも言えます。
横暴な上司に腹を立てている人は、「上司たる者は、あまねく部下に気を配り、信頼され、慕われるような人間であるべきだ」と、その上司のことを買いかぶっているのです。
上司だって、神様でも何でもなく、欠点を抱えもつただの人間です。自分が完璧でないのと同じように、その上司も完璧な人間ではないのです。

店員は、けっして客の機嫌を損ねないよう丁重に応対すべきだ。親はすべてにおいて尊敬できる存在であるべきだ。私の恋人は、高い人間性を備えているべきだ……。
過大評価をするというのは、相手のありのままの姿を見ようとせず、自分の願望だけを押しつけることです。
他人の欠点を許せないときは、「自分ならば、完璧にできるというのか」と自分自身に問いかけてみれば、怒りや不満もずいぶんおさまるでしょう。

ただし、怒りや不満などを悪い感情としていっさい否定してしまうのはよくありません。
他人に完璧を求めてはいけないのと同じように、自分にも完璧を求めてはいけないのです。
人間であれば、怒ったり、悲しんだりするのは当然です。
自分の心の中にある悪い感情を認めた上で、その悪い感情に支配されないよう注意すればよいのです。

大好きな恋人でも、ときにはうっとうしく感じることもあるし、可愛い我が子でも、ときには憎たらしく思うときもあります。
怒りを無理に抑えれば、かえって後々まで恨みを引きずることになります。そして、「私だけが我慢している」と、かえって相手への怒りが増すことになってしまうのです。

自分を許せば、他人にも寛大になれます。
他人が許せない人は自分を許していないのだし、自分を許せない人は他人も許せないのです。
自分にも他人にも完璧を求めすぎないことが、互いを高め合うことになるでしょう。
(おわり)

ありがとう ロングセラー 46刷
こころのおそうじ。(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

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メッセージ No.200-209
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