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たかたまさひろ(著)

こころのおそうじ

たかたまさひろ(著)

こころが休まる本

たかたまさひろ(著)

No.204『毎日を新鮮な気持ちで』

はじめはドキドキ、ワクワクしながら付き合っていた恋人同士も、やがて慣れてきて、ときめきを失ってしまうということは、よくあります。
付き合いはじめのころは、まだ相手のことをよく知らないので、どうすれば喜んでもらえるだろうか、次のデートでは何をすれば楽しいだろうか、などと考えて、毎日新鮮な気持ちでいられます。
しかし、付き合いが長くなると、相手の気持ちがだいたい読めるようになり、いちいち気を回す必要がなくなって、退屈に思えてくるのです。

それは心が通い合っている証拠ですので、よいことには違いないのですが、やはり互いにありがたみを実感するために、つねに新鮮な気持ちをもち続ける努力はしたほうがよいでしょう。
日本語には、「一期一会」というすばらしい言葉があります。
毎日のように会っている恋人でも、「生涯できょう一日しか会えない」と思って付き合えば、ただのひとときもおろそかにはできないと思うでしょう。
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退屈とは、悲観でも絶望でもなく、実は、「ずっと現在の状態が続くと思っている」という、おそろしいほどに楽観的な考えなのです。
世の中の誰が、きょうと同じ明日がくることを保証できるでしょう。

明日、交通事故で大ケガをするかもしれませんし、不治の病を宣告されるかもしれません。自分がそうならなくても、家族がそうなって、生活が一変するかもしれません。災害にあって、住むところがなくなるかもしれません。
これまでそういう目に遭わなかったのは、単に運がよかっただけなのです。
本当に大切なものは、失ってはじめて気づくものです。退屈を嘆くのは、運のよかった人だけに与えられた特権だと言えるでしょう。

「自分の将来などたかが知れている」「人生が退屈だ」と嘆いている人は、毎日生まれ変わり、きょう一日だけの人生を生きると考えてみてはどうでしょうか。
どんなに単調な仕事でも、「きょう一日かぎりの仕事だ」と思えば、逆に、完璧にマスターするのは一日では足りないと思うでしょう。
どんなに嫌いな人でも、「生涯できょう一日しか会えないのだ」と思えば、優しく接することはできます。
誰に対しても、毎日はじめて会うつもりで接すれば、つねに新鮮な発見や感動をえることはできます。
きょうと同じ日は、二度と、永久にやってこないのです。何と名残惜しいことでしょう。

友人や恋人と付き合っているとき、「ずっとこの関係が続くだろうか」「いつか嫌われてしまうのではないか」と、ふと不安がよぎることもあります。
しかし、将来のことは、そのときになってみなければ判りません。
そういう先の知れない不安に悩まされるよりも、今、この瞬間に良好な関係を築くよう努力すればよいのです。
決められた手順に従って生きるだけの人生に、何の楽しみがあるでしょうか。
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休日に行楽地にでも出かけようと思っていたのに、雨が降ってしまったとき。
せっかくの休日が無駄になったと思わず、家の中を徹底的に掃除したり、読書にふけったり、「晴れていたらやろうとは思わなかったこと」をやればよいのです。
恋人に振られて傷ついたときは、振られなければ気づかなかったことを学んだと思えばよいのです。
失敗してはじめて気づくこと、病気になってはじめて気づくこともあります。
自分の人生に起こることに、何ひとつ無駄なものはありません。

人間の運命ははかないものです。永遠の命も永遠の愛も存在しません。
だからこそ、いま生きている自分がいとおしいのだし、いま愛してくれる人に感謝しなければならないのです。

「この先、どうなるのだろう」と悩むよりも、私たちは、「今できること」を精一杯やるしかありません。
これは、あと先のことを考えず、「今が楽しければそれでいい」とする刹那主義とは違います。
遠い将来を見通すことも大切ですが、それよりも大切なことは、今なすべきことを地道に積み重ね、うまくいかなかったときには臨機応変に対処するということです。

いくら頭の中だけで綿密な計画を立てても、人生はアミダクジのようなもので、線が一本増えれば、まったく違うところにたどり着いてしまうものです。
一日一日を精一杯生きることにより、将来を見据える力も自然に養えるようになるのです。
(おわり)

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リラックスブック(だいわ文庫)
たかたまさひろ(著)
定価 770円(税込)

人づきあいが苦手、小さなことですぐムカッとしてしまう、自信がない、そんなあなたの心を軽くする本
こころのお掃除、始めましょ
メッセージ No.200-209
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